中級動画レッスン 中級編②

相手のレンジと戦う|勝率の比べ方からギャップコンセプト・スクイーズまで

同じA♥Q♣でも、慎重な相手のレンジ全体には勝率67%、大きく賭け続ける手だけには20%。相手の手を一つに決めずに考える方法、ブラフを混ぜる割合、ギャップコンセプト、スクイーズを解説します。

中級編②動画 6:59
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動画のもくじ(14)
  1. 0:00はじめに
  2. 0:40第1章 自分の手と、相手のレンジ
  3. 0:59例:エースとクイーン対レイのレンジ
  4. 1:39結果ではなく、判断で考える
  5. 1:56第2章 バリューレンジとブラフレンジ
  6. 2:27ブラフをどれくらい混ぜるか
  7. 3:15コールする側から見ると
  8. 3:31第3章 ギャップコンセプト
  9. 4:02例:エースと3
  10. 4:40第4章 スクイーズ
  11. 4:59例:スクイーズ
  12. 5:20なぜ通りやすいのか
  13. 5:42スクイーズの条件
  14. 6:15まとめ

相手の手札を一つに当てようとするのではなく、相手が持っていそうな手の幅(レンジ)全体に対して、どれくらい勝てるかを考えることが大切です。この記事では、自分の手と相手のレンジの比べ方、賭ける手の組み立て方、そしてプリフロップの二つの考え方「ギャップコンセプト」と「スクイーズ」を、前回のオッズとアウツで出した必要な勝率の計算も使いながら説明します。動画では、Poker Tokyo の3人(神崎怜司・九条玲子・朝倉和也)が解説しています。

自分の手と、相手のレンジ

一つの手ではなく、レンジ全体と比べる

自分の手が強いかどうかは、相手のレンジ全体と比べて決めます。「相手はキングのペアだ」と一つに決めて比べるのではありません。レンジの中のどの手に、どれくらい勝てるかを、全部まとめて考えます。

そして、相手のレンジは、相手が行動するたびに変わります。下の例のように、慎重な相手が大きく賭け続ければ、残るのはほとんどが強い手になります。

自分の手と、相手のレンジ。相手の手を一つに決めて比べない。レンジ全体に対して、どれくらい勝てるかを考える。相手の行動で、レンジは変わる。
動画の解説ボードより

例:クイーンのワンペア、キッカーはエース

初級編② 相手の手を読むと同じ場面で考えます。慎重な相手が、いちばん前の席からレイズしました。この人がレイズする手は、8以上のペアと、AKs・AQs・AJs・KQs、それにAKoです。AKsは同じマークのエースとキング、AKoはマーク違いのエースとキングのことです。組み合わせの数にすると70通りあります。

今回は、こちらの手札がA♥Q♣だったとします。ポットは750点、フロップはQ♦ 8♣ 3♠。クイーンのワンペアで、キッカー(ペアの次に比べるカード)はエースです。

70通りのうち、自分の手札や場に見えているカードと重なるものを除くと、相手の手は49通り残ります。この49通り全体と比べると、A♥Q♣の勝率は67%。勝っている相手のほうが多いので、ここは強気でかまいません。

ところが、フロップで相手が賭けてきてこちらがコールし、ターンの2♥でも相手がもう一度、1,200点と大きく賭けてきたとします。慎重な人がここまで賭け続けるなら、残るのはほとんどが強い手です。そうした16通りに対しては、A♥Q♣の勝率は20%しかありません。

相手が賭ける前のポットは1,550点。前回の計算を使うと、1,200点にコールするのに必要な勝率は、1,200 ÷(1,550+1,200+1,200)で約30%です。20%では足りないので、降りることになります。

結果ではなく、レンジで判断する

同じ手でも、相手のレンジしだいで勝率はまるで変わります。降りたあとで、相手がたまたまジャックのペアだったと分かれば、くやしいかもしれません。それでも、判断が正しかったかどうかは、一回の結果ではなく、レンジで考えます。

勝率の考え方。同じ手でも、相手のレンジしだいで勝率は変わる。判断が正しいかは、結果ではなくレンジで考える。降りた手が、たまたま勝っていても気にしない。
動画の解説ボードより

バリューレンジとブラフレンジ

自分のレンジを、三つに分ける

自分のレンジも、三つに分けて考えます。

  • バリュー:勝っていて、払ってもらいたい手。
  • 中くらいの手:勝負までは行きたいが、賭けると、強い手にだけコールされて困る手。
  • ブラフ:負けていて、相手に降りてもらうしかない手。

リバーで賭けるのは、バリューの手とブラフです。中くらいの手は、チェックすることが多くなります。

自分のレンジを、三つに分ける図。バリューは、勝っていて、払ってもらいたい手。中くらいは、勝負までは行きたい、でも賭けるとつらい手。ブラフは、負けていて、相手に降りてほしい手。
動画の解説ボードより

ブラフは、少なすぎても多すぎても困る

賭ける手の中に、ブラフをどれくらい混ぜるか。ブラフがまったくない人が賭ければ、相手はみんな降ります。反対に、ブラフが多すぎる人が賭ければ、みんなコールしてきます。

ちょうどいい混ぜ方は、賭ける額で決まります。目安は、相手がコールに必要な勝率と、同じ割合だけブラフを入れることです。割合は、賭ける額 ÷(ポット + 賭ける額 × 2)で求められます。

リバーで賭ける額賭ける手のうち、ブラフの割合
ポットの半分4本に1本
ポットの3分の2約3割
ポットと同じ3本に1本

たとえば、ポットと同じ額を賭けるとき。相手は33%勝てればコールできます。そこで、賭ける手の3つに1つをブラフにしておくと、相手から見て、コールしても降りても損も得もありません。だから、読まれにくくなるのです。これは、スクランスキーが著書『The Theory of Poker』で説明している考え方です。

もちろん、相手がコールばかりする人なら、ブラフは減らします。

ブラフが少なすぎても、多すぎても。ブラフがない人は、賭けたら、みんな降りる。ブラフが多すぎる人は、賭けたら、みんなコールする。ちょうどいい混ぜ方は、賭ける額で決まる。
動画の解説ボードより
リバーで賭ける手のうち、ブラフにできる割合。ポットの半分を賭けるなら4本に1本、ポットの3分の2なら約3割、ポットと同じなら3本に1本。式は、賭ける額 ÷(ポット + 賭ける額 × 2)。
動画の解説ボードより

コールする側から見ると

反対に、コールする側から見てみましょう。毎回強気に賭けてくる相手のレンジは、強い手とブラフに分かれていることが多いものです。中くらいの手は、途中で降りたり、チェックしたりしているからです。ブラフにさえ勝てる手なら、コールを考えてよいでしょう。

ギャップコンセプト:受けるほうが、強い手がいる

ギャップコンセプトは、レイズにコールするには、自分からレイズするより強い手がいるという考え方です。同じ手でも、自分から攻めるのはよくて、受けるのはよくない、ということがあります。理由は二つです。

  1. レイズした人の手は、もう強いと分かっている。
  2. 自分からレイズすれば、相手が降りて勝てることがある。コールでは、それがない。
ギャップコンセプト。レイズにコールするには、自分からレイズするより強い手がいる。レイズした人の手は、もう強いと分かっている。コールでは、相手を降ろして勝つことができない。
動画の解説ボードより

例:マーク違いのエースと3

マーク違いのエースと3を考えます。前の人が全員降りて、自分がボタンにいるなら、レイズしてよい手です。でたらめな手札が相手なら、56%勝てるからです。

ところが、慎重な人が前の席からレイズしてきたなら、話は違います。8以上のペアや強いエースなど、その人がレイズする手に対しては、勝率は29%しかありません。エースを持っていても、相手がもっと強いエースを持っていれば勝てないのです。

初級編③ プレイスタイルとスチールで話した、相手のタイプに合わせる考え方と同じです。

スクイーズ:レイズとコールのすきまを突く

スクイーズは、誰かがレイズして、誰かがコールしたところに、うしろから大きくレイズすることです。英語で「しぼり出す」という意味で、二人の間からポットをしぼり取るイメージです。二人とも降りれば、ポットが手に入ります。

例:250点のレイズと、250点のコールのあと

ブラインドは50点と100点。いちばん前の席の人が250点にレイズし、次の人は降り、その次の人が250点でコールしました。ボタンのあなたはA♦5♦。ここで1,000点にレイズします。これがスクイーズです。

プリフロップの6人卓。いちばん前の席が250点にレイズ、次の席はフォールド、その次の席が250点でコール。ボタンの自分はダイヤのエースと5で、1,000点にレイズ。スモールブラインドは50点、ビッグブラインドは100点。
レイズとコールのあとに、ボタンから1,000点

全員が降りれば、真ん中の650点が手に入ります。レイズだけなら、ブラインドと250点のレイズで400点。コールした人がいる分、ふつうより取れる点数が多くなります。

全員が降りたら取れる点数。ブラインドと250点のレイズだけなら400点。そこに250点のコールが入ると650点。
動画の解説ボードより

なぜ通りやすいのか

最初にレイズした人には、うしろにまだ、コールした人が残っています。そして、コールしただけの人は、とても強い手ではないことが多いもの。強ければ、自分でレイズしているはずだからです。二人とも強い手が少ないので、大きなレイズにそろって降りやすいのです。

スクイーズの条件

  1. 最初にレイズした人が、広く参加するタイプ。
  2. 間に、コールした人がいる。
  3. 自分が、タイトに見られている。いつも暴れている人のレイズは、信じてもらえません。
  4. コールされても、少しは戦える手で。たとえば、同じマークのエースと小さいカードです。
スクイーズの条件。1、最初にレイズした人が、広く参加するタイプ。2、間に、コールした人がいる。3、自分が、タイトに見られている。4、コールされても、少しは戦える手で。
動画の解説ボードより

スクイーズは、レイズとコールのすきまを突く技です。最初にレイズしたのが慎重な人なら、使いません。

まとめ

  • 自分の手は、相手のレンジ全体と比べる。相手の行動で、レンジは変わる。
  • 判断が正しかったかは、一回の結果ではなく、レンジで考える。
  • 賭ける手は、バリューとブラフ。ブラフの割合は、賭ける額 ÷(ポット + 賭ける額 × 2)が目安。
  • レイズを受ける手は、自分から攻める手より狭く(ギャップコンセプト)。
  • スクイーズは、広く参加する人のレイズと、誰かのコールのあとに。相手を選んで使う。

確認問題

問題1 リバーで、1,000点のポットに500点(ポットの半分)を賭けます。賭ける手のうち、ブラフはどれくらいの割合にするのが目安でしょうか。

答え

4本に1本(25%)です。500 ÷(1,000 + 500 × 2)= 25%。相手から見ると、500点を払って2,000点のポットを争うので、コールに必要な勝率も25%です。この割合なら、相手はコールしても降りても損得が変わりません。

問題2 いちばん前の席から、慎重なタイプの人がレイズし、次の人がコールしました。ボタンのあなたは、スクイーズを狙うべきでしょうか。

答え

狙わないのが基本です。スクイーズが通りやすいのは、最初にレイズした人が広く参加するタイプで、強い手が少ないときです。慎重な人のレイズには強い手が多く、大きなレイズにも降りてくれないことが多いからです。

次に読む

この回の内容を、もっと詳しく

  • ブラフとバリューの比率リバーで強い手とブラフだけをベットするとき、ブラフをどれだけ混ぜれば相手は読み切れないのか。
  • ギャップコンセプトとはギャップコンセプトとは、レイズにコールするには、自分からレイズするより強い手がいるという考え方。
  • 自分のハンドvs相手のレンジとは自分のハンドvs相手のレンジとは、自分の手を、相手の手一つではなく、持っていそうな手の幅(レンジ)全体と比べて強さを測る考え方。
  • スクイーズとはスクイーズとは、誰かのレイズに別の人がコールしたあと、うしろの席から大きくレイズを返すこと。
  • バリューレンジとブラフレンジとはバリューレンジは賭ける手のうち勝っていて払ってもらいたい手、ブラフレンジは負けていて降りてほしい手のまとまりです。