初級動画レッスン 初級編②

相手の手を読む|ハンドレンジ・ボードテクスチャ・テルの基本

場にエースが1枚見えると、相手がエースのペアを持つ組み合わせは6通りから3通りに減ります。ハンドレンジ、ボードテクスチャ、三つの手がかりで読むリーディング、テル(癖)の見方を解説します。

初級編②動画 9:51
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動画のもくじ(18)
  1. 0:00はじめに
  2. 0:39第1章 ハンドレンジ
  3. 1:08レイとカイのレイズの幅
  4. 1:46見えているカードで減る組み合わせ
  5. 2:11エース・7・2の場のレンジ
  6. 2:49第2章 ボードテクスチャ
  7. 3:13ドライとウェット
  8. 3:38フロップの形の確率
  9. 4:03高い場と低い場
  10. 4:29場によって賭け方を変える
  11. 4:52第3章 リーディング
  12. 5:29実演:レイの手を読む
  13. 6:46読みのコツ
  14. 7:06第4章 テル
  15. 7:29テルの基本
  16. 7:49よくあるテル
  17. 8:43自分のテルを出さない
  18. 9:12まとめ

相手の手札は見えません。それでも、手がかりを順番に積み重ねれば、持っていそうな手はかなり絞り込めます。この記事では、相手の手を幅で考えるハンドレンジ、場のカードの顔つきを見るボードテクスチャ、人・席・行動から読むリーディング、しぐさに出るテルを順に説明します。動画では、Poker Tokyo の3人(神崎怜司・九条玲子・朝倉和也)が、慎重な相手の手を一枚ずつ読んでいく実演もしています。

ハンドレンジ

一つに決めつけない

相手の手を読むとき、いちばん大事なのは一つに決めつけないことです。「あの人はエースのペアだ」と決めつけるのではなく、持っていそうな手をまとめて考えます。この手の集まりをハンドレンジ、略してレンジと呼びます。そして、相手の行動を見るたびに、その幅を少しずつ絞っていきます。

誰が、どこからレイズしたか

手札の書き方を先に確認しておきます。AKs の s は2枚が同じマーク(スーテッド)、AKo の o は違うマーク(オフスート)という意味です。T は10を表します。88+ は「88以上のペア(88・99・TT・JJ・QQ・KK・AA)」、AJs+ は「AJs・AQs・AKs」のことです。

慎重な相手が、いちばん前の席からレイズしたとき。持っていそうなのは、88以上のペアと、エースやキングのような大きいカードの組み合わせだけです。

13×13の手札の表で、慎重な相手がいちばん前の席からレイズする手を黄色で示した図。88以上のペア(88からAAまで)、AJs・AQs・AKs、KQs、AKoの12種類。
慎重な相手が、いちばん前の席からレイズする手

組み合わせの数で数えると、ペアは1種類につき6通り、同じマークの2枚は4通り、違うマークの2枚は12通りです。ペア7種類で42通り、AJs・AQs・AKs・KQs で16通り、AKo で12通り。全部で70通りです。配られる手は全部で1,326通りなので、わずか5%ほどしかありません。

同じレイズでも、たくさんの手で参加する相手がボタンからレイズしたなら、話はまるで違います。

13×13の手札の表で、広く参加する相手がボタンからレイズする手をピンクで示した図。22以上のすべてのペア、A2s以上とK2s以上の同じマークの全部、Q6s以上、J7s以上、T7s以上、97s以上、86s以上、75s以上、65s、54s、A2o以上の違うマークのエースの全部、K9o以上、QTo以上、JTo。
広く参加する相手が、ボタンからレイズする手

この相手は、ボタンからなら配られる手の3分の1以上でレイズしてきます。レイズという行動は同じでも、誰が、どこからやったかで、意味はまるで別物になります。

見えているカードで、組み合わせが減る

もう一つ大事なのは、見えているカードがあると、組み合わせの数が減ることです。

手ふつう場にエースが1枚あると
エースのペア6通り3通り
エースとキング16通り12通り
キングのペア6通り6通り

エースのペアは、ふつうは6通りです。でも場にエースが1枚あると、残りのエースは3枚なので、組み合わせは3通りに減ります。エースとキングは16通りから12通りに。キングのペアは、場にキングがなければ6通りのままです。

エース・7・2の場でのレンジ

では、場にエース・7・2が出たとき、さきほどの70通りのレンジを、組み合わせの数で分けてみます。

相手の手組み合わせこの場では
エースのペア3通りスリーカード
エースと、大きいカード18通りエースのペア
キングから8までのペア36通りエースより下のペア
キングとクイーン(同じマーク)4通り何もない

意外にも、いちばん多いのはエースより下のペアの36通りです(合わせて61通りのうち、6割ほど)。慎重な相手が賭けてきても、いつもエースを持っているとは限りません。数で考えると、それが見えてきます。どの手かを当てるのではなく、どの手がどれくらいありそうかを考えるのがレンジの考え方です。

ボードテクスチャ

ドライとウェット

ボードテクスチャは、場のカードがどんなふうにつながっているか、つまり場の顔つきのことです。役ができにくい、ばらばらの場をドライ(乾いた場)、ストレートやフラッシュができやすい場をウェット(ぬれた場)と呼びます。

ドライとウェットの3つの例。ドライ:K♠ 7♦ 2♣。数字が離れていて、マークも全部違う。ウェット:9♥ 8♥ 6♠。数字が近く、ハートが2枚。とてもウェット:K♦ Q♦ J♦。同じマークで、数字も続いている。
動画の解説ボードより

K♠ 7♦ 2♣ は数字が離れていて、マークも全部違うドライな場です。9♥ 8♥ 6♠ は数字が近く、ハートが2枚あるので、ストレートもフラッシュも狙えるウェットな場。K♦ Q♦ J♦ は同じマークで数字も続いた、とびきりウェットな場です。ウェットな場では、いま強い手も、次のカードで抜かれやすくなります。

フロップの形の確率

52枚から3枚を選ぶフロップは、全部で22,100通りあります。数えると、それぞれの形が出る確率は次のとおりです。

フロップの3枚確率
マークが全部違う約40%
同じマークが2枚約55%
3枚とも同じマーク約5%
同じ数字がある約17%

いちばん多いのは同じマークが2枚の形で、フラッシュの狙いが生まれます。3枚とも同じマークは、めったにありません。マークの形は上の3行で合わせて100%になります。「同じ数字がある」は数字から見た別の分け方で、上の3つのどれかと重なっています。同じ数字がある場は、誰かに当たっている見込みが小さくなります。

高い場と、低い場

高い場と低い場の比較。高い場(例:エース、キング、4):プリフロップでレイズした人に、当たりやすい。レイズする人は、大きいカードを多く持っている。低い場(例:8、7、5):コールした人に、当たりやすい。小さいペアや、続いた数字で参加している。
動画の解説ボードより

場の高さも大事です。エースやキングが出た高い場は、プリフロップでレイズした人に当たりやすくなります。レイズする人は、大きいカードを多く持っているからです。反対に、8・7・5のような低い場は、小さいペアや続いた数字で参加している、コールした人に当たりやすくなります。バリューベットとブラフで、エース・キング・9の場でブラフをした例は、この性質を使っています。

場によって、賭け方を変える

  • ドライな場:小さく賭けても、当たっていない相手は降りやすい。
  • ウェットな場で強い手:大きく賭けて、狙いの手に安く次のカードを見せない。
  • ウェットな場のブラフ:狙いの手がコールしてくるので、通りにくい。

同じ手でも、場の顔つきで、強さも賭け方も変わります。

リーディング

三つの手がかり

相手の手を読むことをリーディングと呼びます。手がかりは三つです。

「三つの手がかり」。1、どんな人か(プレイスタイル)。2、どの席からか(ポジション)。3、何をしたか(アクション)。
動画の解説ボードより
  1. どんな人か:慎重な人か、何でも参加する人か。
  2. どの席からか:前の席から参加するのは、強い手が多い。
  3. 何をしたか:レイズしたのか、コールしたのか。そして、どれくらい賭けたか。

これに状況も合わせて見ます。残りのチップが多いか少ないか、トーナメントのどのあたりか、相手がどれくらい慣れた人か。たとえば、チップが少ない人は、少し弱い手でも勝負に出てきます。

例:慎重な相手の手を、一枚ずつ読む

慎重な相手が、いちばん前の席からレイズしました。自分はボタンで、10♠ 10♥ の10のペアでコールします。相手のレンジは、さきほどの70通り。強いペアと、大きいカードの組み合わせです。ポットは750点です。

フロップは Q♦ 8♣ 3♠。相手は400点を賭けてきました。ばらばらのドライな場です。この相手は、当たっていなくても、ここで一度は賭けてくることが多い。だから、ここはコールします。

ターンまでの場はQ♦ 8♣ 3♠ 2♥、ポットは1,550点。慎重な相手は手札が見えず、二回続けて賭けてきて、いま1,200点を賭けている。自分の手札は10♠ 10♥の10のペアで、どうするかを考えている。
動画の解説ボードより

ターンは2♥。相手は今度は1,200点と、大きく賭けてきました。慎重な人が、二回続けて、しかも大きく賭け続けるなら、残るのは次のような手です。

相手の手10のペアと比べると
クイーンや8のスリーカード負け
エース、キング、ジャックのペア負け
エースとクイーン、キングとクイーン負け
9のペア、何もないエースとキング勝ち(でも賭けにくい)

10のペアが勝てるのは、9のペアや、何も当たっていないエースとキングくらいです。でも、慎重な相手は、そういう手でここまで大きく賭けることは少ない。だから、ここは降ります。10のペアは強い手ですが、このレンジにはほとんど勝てません。

同じことを、ブラフの多い相手がしていたなら、コールしてよい場面かもしれません。誰がやったかで、答えが変わるのです。

読みのコツ

  • いつもと違う動きに注目する。ふだんコールばかりの人が急にレイズしてきたら、強い手だと考えてよいでしょう。
  • 読みは外れることもある。決めつけずに、どの手がどれくらいありそうか、で考えます。

テル

テルの基本

テルは、相手のしぐさや話し方に出る手がかりです。目の前に相手が座っている、テーブルの勝負ならではの手がかりで、アメリカのマイク・キャロがテルを集めた本を書いています。ただし、テルひとつだけで決めず、ほかの手がかりと合わせて使います。

「テルの基本」の比較。強く見せている(わざと、勢いよく賭ける。じっと、こちらをにらむ)→弱いことが多い。弱く見せている(ため息をつく。肩を落として、しぶしぶ賭ける)→強いことが多い。
動画の解説ボードより

基本は、強く見せているときは弱く、弱く見せているときは強いことが多い、というものです。強い手を持っている人は、ため息をついたり肩を落としたりして、わざとがっかりしたふりをし、コールを誘います。弱い手なら、その逆です。

よくあるテル

「よくあるテル」の4項目。1、賭けるときに、手がふるえる:強いことが多い。2、フロップを見て、すぐ自分のチップを見る:当たったことが多い。3、同じマークが3枚出て、手札を見直す:その役は、まだないことが多い。4、急におしゃべりになる、急に黙る:いつもと違うことが手がかり。
動画の解説ボードより
  1. 賭けるときに手がふるえる:強い手のことが多い。怖いのではなく、うれしくて力が入るのです。
  2. フロップを見たとたん、自分のチップをちらっと見る:もう賭けることを考えている、つまり当たったことが多い。
  3. 場に同じマークが3枚出たとき、手札を見直す:そのマークを持っているか確かめているので、フラッシュはまだできていないことが多い。できていたら、見直す必要はありません。
  4. 急におしゃべりになる、急に黙る:いつもと違うことが手がかりです。

大事なのは、その人のふだんの様子を知っておくことです。ふだんと比べて、初めて意味が分かります。

自分のテルを出さない

反対に、自分のテルは出さないようにします。

  • 強いときも弱いときも、いつも同じ速さ、同じ手つきで動く。
  • 手札を見ても、いいカードでも悪いカードでも、顔に出さない。
  • 自分の手札は、自分の番が来てから見る。その前は、ほかの人が手札を見るときの顔を見ておく。

テルは、あくまで手がかりの一つです。レンジや場の顔つきと合わせて、初めて役に立ちます。

まとめ

  • 相手の手は一つに決めず、持っていそうな手の集まり(レンジ)で考え、行動のたびに絞っていく。
  • 見えているカードの分だけ、組み合わせは減る。場にエースが1枚あれば、エースのペアは6通りから3通りに。
  • フロップは、マークが全部違う約40%、同じマークが2枚約55%、3枚とも同じ約5%。ウェットな場では、いま強い手も抜かれやすい。
  • 読む手がかりは、どんな人か・どの席からか・何をしたか。チップの量などの状況も合わせて見る。
  • テルは、ふだんの様子と比べ、ほかの手がかりと合わせて使う。自分のテルは出さない。

確認問題

問1 場にキングが1枚出ています。相手がキングのペアを手札に持っている組み合わせは、何通りでしょうか。

答え

3通りです。キングは全部で4枚ですが、1枚が場に見えているので、残りは3枚。その3枚から2枚を選ぶ組み合わせは3通りです。場にエースが1枚あるときのエースのペアと同じ考え方です。

問2 場に同じマークが3枚出たとき、相手が自分の手札をもう一度見直しました。どんな手が考えられるでしょうか。

答え

フラッシュは、まだできていないことが多いと考えられます。そのマークを持っているかを確かめているからです。フラッシュができていたら、見直す必要はありません。ただし、テルだけで決めず、その人のふだんの様子や、ここまでの行動と合わせて判断します。

次に読む

この回の内容を、もっと詳しく

  • ボードテクスチャとはボードテクスチャは、場に出たカードのつながり方、つまり場の顔つきのこと。
  • ハンドレンジとはハンドレンジ(レンジ)は、相手が持っていそうな手を一つに決めず、まとめて考えた手の集まりのこと。
  • リーディングとはリーディングは、見えない相手の手を、どんな人か・どの席からか・何をしたかの3つの手がかりから絞り込むこと。
  • テル(癖)とはテルは、ポーカーで相手のしぐさや話し方に出る、手の強さの手がかり(癖)のこと。