初級動画レッスン 初級編①
バリューベットとブラフ|基本原則からブロックベットまで
ポットの半分を賭けるブラフは、3回に1回相手が降りれば元が取れます。「相手の手札が見えていたら」という基本原則を土台に、バリューベット・ブラフ・ブロックベットの使い分けを解説します。
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動画のもくじ(20)
- 0:00はじめに
- 0:37第1章 ポーカーの基本原則
- 1:17見えていたら、することは三つ
- 1:40絞り込む・読ませない
- 1:59例:もし、見えていたら
- 2:32第2章 バリューベット
- 3:03例:リバーで賭ける?
- 3:45どれくらい賭ける?
- 4:08相手によって変える(ナッツ)
- 4:39第3章 ブラフ
- 5:17ブラフが元を取るには
- 6:00ピュアブラフとセミブラフ
- 6:20リバーまでに当たる確率
- 6:40ブラフが通りやすいとき
- 7:23例:エース・キング・9の場
- 8:03第4章 ブロックベット
- 8:30例:チェックか、小さく賭けるか
- 8:59ブロックベットが向くとき
- 9:17気をつけること
- 9:43まとめ
どの手で参加するかが分かったら、次は「参加したあと、なぜ賭けるのか」です。この記事では、すべての賭け方の土台になるポーカーの基本原則と、バリューベット・ブラフ・ブロックベットという三つの賭け方を、具体的な場面と数字で整理します。動画では、Poker Tokyo の3人(神崎怜司・九条玲子・朝倉和也)が、解説ボードを使いながら一つずつ説明しています。
ポーカーの基本原則
相手の手札が見えていたら
ポーカーでいちばん大事な考え方は、アメリカのプロ、デビッド・スクランスキーが著書『The Theory of Poker』でまとめたものです。

相手の手札が見えていれば、どうするのが一番いいかはすぐに分かります。実際には見えませんが、見えていたらするはずのプレイに近いほど、得をします。反対に、相手が「こちらの手札が見えていたら、しないはずのプレイ」をするたびに、こちらが得をします。相手の間違いが、そのままこちらのもうけになるということです。
見えていたら、することは三つ
もし相手の手札が見えていたら、することはだいたい次の三つにまとまります。
| 見えたもの | するプレイ | 呼び方 |
|---|---|---|
| 自分のほうが強い | 賭けて、払ってもらう | バリューベット |
| 相手のほうが強い | 払わずに降りる | フォールド |
| 相手が弱くて、降りそう | 賭けて、降ろす | ブラフ |
実際の手札は見えないので、二つのことをします。一つは、相手の行動から、持っていそうな手を絞り込むこと。もう一つは、自分の手を相手に読ませないことです。強いときも弱いときも、同じように振る舞います。相手の手の絞り込み方は、相手の手を読むで詳しく扱います。
例:見えていたら、大きくは賭けない
フロップが A♦ 7♠ 2♣ で、自分は A♥ A♣ のエースのスリーカードだとします。もし相手の手札が K♠ Q♠ だと見えていたら、どうするでしょうか。

相手は何も当たっていないので、大きく賭ければすぐに降りてしまい、点数はほとんど増えません。見えていたら、小さく賭けるか、チェックして相手に賭けさせるのがよさそうです。見えなくても、それに近いプレイを選ぶ。これが基本原則の使い方です。
バリューベット
バリューベットは、自分の手が勝っていそうなときに、相手に払ってもらうためのベットです。強い手なのにチェックばかりでは、取れるはずの点数を逃してしまいます。
大事なのは、こちらが賭けたときに相手のどんな手がコールしてくるかです。自分より弱い手がコールしてくれるなら、賭けるほど得をします。反対に、コールしてくるのが自分より強い手だけなら、賭けても損をするだけです。
例:リバーで賭けるか
場は K♥ 8♣ 4♦ 2♠ J♣、ポットは1,200点。自分は A♠ K♦ で、キングのワンペア、キッカー(同じ役どうしの勝負を決める残りのカード)はエースです。相手はフロップでもターンでもコールしてきました。相手が持っていそうな手を並べると、次のようになります。
| 相手の手 | 自分と比べると | 賭けたら |
|---|---|---|
| キングと、クイーンや10 | 自分の勝ち | コールしそう |
| ジャックのペア | 自分の勝ち | 小さければコール |
| ツーペア、スリーカード | 自分の負け | コールか、レイズ |
| 外れたストレートの狙い | 自分の勝ち | 降りる |
ツーペアやスリーカードには負けていますが、こうした手は多くありません。外れたストレートの狙いは、いくら賭けても降りるので払ってくれません。全体としては、自分より弱くて、払ってくれそうな手のほうが多いので、ここは賭けます。
どれくらい賭けるか

大きすぎると、弱い手は降りてしまいます。小さすぎると、本当は取れたはずの点数を取り逃がします。ちょうどいいのは、弱い手が迷いながらも払える額です。上の場面なら、ポットの半分くらいの600点。キングのペアでも、ジャックのペアでも払いやすい額です。
相手によって変える
賭ける大きさは、相手によっても変わります。
- 何でもコールしてくる相手には、大きく賭けてかまいません。
- 慎重な相手には、小さく賭けます。降りられたら、1点も取れないからです。
- もう誰にも負けない、いちばん強い手をナッツと呼びます。ナッツなら、相手が払える一番大きな額を考えます。相手の持ち点によっては、オールインもあり得ます。
強い手を持ったときこそ、どうやって払ってもらうかを考えましょう。
ブラフ
ブラフは、勝てそうにない手で賭けて、相手に降りてもらうことです。相手が降りてくれれば、手札がどんなに弱くてもポットはもらえます。
ブラフが必要な理由は、もう一つあります。強いときにしか賭けない人は、すぐに読まれます。賭けたとたんに、みんな降りてしまうのです。ときどきブラフをするから、強い手で賭けたときにも払ってもらえます。ブラフがあるから、バリューベットも生きるのです。
ブラフが元を取るには
ポットが900点のとき、半分の450点でブラフをするとします。失敗すると450点を失い、成功すると900点がもらえます。失うのが450点、もらえるのが900点なので、3回に1回相手が降りてくれれば、元が取れます。
計算は簡単で、必要な成功率 = 賭ける額 ÷(ポット + 賭ける額) です。
| 賭ける額(ポット900点のとき) | 必要な成功率 |
|---|---|
| ポットの半分(450点) | 33%(3回に1回) |
| ポットの3分の2(600点) | 40%(10回に4回) |
| ポットと同じ(900点) | 50%(2回に1回) |
大きく賭けるほど、ブラフはたくさん成功しなければなりません。コールする側から見た計算は、ポットオッズと必要勝率で扱っています。
ピュアブラフとセミブラフ

ブラフには二つの種類があります。当たる見込みがない手でするのがピュアブラフ、いまは弱くても次のカードで強くなれる手でするのがセミブラフです。セミブラフは、相手が降りれば勝ち、コールされても当たれば勝ち。勝つチャンスが二回あります。
フロップから、ターンとリバーの2枚を見られるとき、狙いが当たる確率は次のとおりです(自分の手札2枚と場の3枚を除いた、見えていない47枚から計算しています)。
| 狙い | 当たるカード | リバーまでに当たる確率 |
|---|---|---|
| フラッシュの狙い | 9枚 | 約35% |
| ストレートの狙い(両側が空いている) | 8枚 | 約31% |
| ストレートの狙い(真ん中の1枚を待つ) | 4枚 | 約16% |
当たる見込みがあるぶん、セミブラフはピュアブラフより、ずっと失敗に強いのです。アウツ(当たるカード)の数え方は、アウツの数え方と2と4の法則で確認できます。
ブラフが通りやすいとき

- 相手が一人:一人ならその人が降りればよいのですが、三人いたら三人とも降りてくれないといけません。
- 相手が、降りることのできる人:何でもコールしてくる相手には、ブラフは通じません。
- 話の筋が通っている:ブラフは、うその話をするようなものです。プリフロップから最後まで、強い手を持っている人と同じように動きます。つじつまが合わないと見破られます。
- 怖いカードが出た:場に同じマークが3枚そろったり、エースが出たりすると、相手は弱気になります。
例:エース・キング・9の場
自分がボタンからレイズし、ビッグブラインドの相手がコールしました。フロップは A♣ K♦ 9♠、ポットは650点。自分の手札は 6♥ 5♥ で、何も当たっていません。
エースやキングのような大きなカードの場は、プリフロップでレイズした人のほうが当たっていそうに見えます。相手がチェックしたところで、自分が300点を賭けます。レイズした人が大きなカードの場で賭けるのは、自然な話の流れです。必要な成功率は 300 ÷(650 + 300)で約32%。3回に1回降りてくれれば元が取れ、相手が何も当たっていなければ、降りるしかありません。
ただし、何度もやりすぎると見抜かれます。ブラフは、ここぞというときに使いましょう。
ブロックベット
ブロックベットは、先に動く人が、自分から小さく賭けることです。チェックすると、相手に大きく賭けられるかもしれません。それを防ぐのがねらいです。勝っているか負けているか、よく分からない手のときに使い、負けたときの損を小さくします。
例:リバーで先に動くとき
場は Q♠ 10♦ 6♣ 3♥ 8♦、ポットは1,000点。自分は Q♥ 9♥ でクイーンのワンペアですが、キッカーは9と弱く、勝っているかは分かりません。しかも、先に動くのは自分です。
| 自分が | 相手は | 負けていたときの損 |
|---|---|---|
| チェック | 700点を賭けてくる | コールすれば700点 |
| 250点を賭ける | コールで終わることが多い | 250点 |
先に250点を賭けておけば、相手はコールで終わることが多く、負けていても損は250点です。払う値段を、こちらで先に決めてしまうのがブロックベットです。
ブロックベットが向くとき

- 勝っているか分からない、中くらいの強さの手。
- フラッシュやストレートの狙いで、次のカードを安く見たいとき。
- 先に動かなければならない席にいるとき。あとから動けるなら、チェックで回せばよいからです。
気をつけること

小さく賭けてレイズされたら、たいていは降りるしかありません。また、「小さく賭けるのはいつも弱いとき」と分かれば、相手はどんどんレイズしてきます。だから、ときどきは強い手でも小さく賭けます。そうすれば、相手はうかつにレイズできません。ブロックベットは、もうけを増やすためではなく、損を減らすための賭け方です。
まとめ
- 相手の手札が見えていたらするプレイに近づけるほど、得をする。相手の間違いは、こちらの得になる。
- バリューベットは、自分より弱い手がコールしてくれるときに賭ける。大きさは、弱い手が迷いながらも払える額。
- ブラフに必要な成功率は「賭ける額 ÷(ポット + 賭ける額)」。ポットの半分なら3回に1回。
- ブラフは、相手が一人で、降りられる人で、話の筋が通っているときに。セミブラフは当たる見込みがあるぶん失敗に強い。
- ブロックベットは、先に動く席から小さく賭けて、負けたときの損を小さくする。
確認問題
問1 ポットが1,200点のとき、600点でブラフをします。元を取るには、相手に何回に1回降りてもらえばよいでしょうか。
答え
3回に1回(約33%)です。600 ÷(1,200 + 600)= 600 ÷ 1,800 で3分の1。ポットの半分を賭けるブラフなので、ポットが900点のときと同じ割合になります。
問2 相手が三人残っている場面では、ブラフが通りにくくなります。なぜでしょうか。
答え
三人とも降りてくれないと、ポットがもらえないからです。相手が多いほど、誰か一人はコールしてきやすくなります。ブラフは、相手が一人のときに向いています。


