初級動画レッスン 初級編①

バリューベットとブラフ|基本原則からブロックベットまで

ポットの半分を賭けるブラフは、3回に1回相手が降りれば元が取れます。「相手の手札が見えていたら」という基本原則を土台に、バリューベット・ブラフ・ブロックベットの使い分けを解説します。

初級編①動画 10:24
初級編①「バリューベットとブラフ」のサムネイル動画は YouTube で公開予定です

公開したら、この記事から再生できるようになります。YouTube 公式チャンネル

動画のもくじ(20)
  1. 0:00はじめに
  2. 0:37第1章 ポーカーの基本原則
  3. 1:17見えていたら、することは三つ
  4. 1:40絞り込む・読ませない
  5. 1:59例:もし、見えていたら
  6. 2:32第2章 バリューベット
  7. 3:03例:リバーで賭ける?
  8. 3:45どれくらい賭ける?
  9. 4:08相手によって変える(ナッツ)
  10. 4:39第3章 ブラフ
  11. 5:17ブラフが元を取るには
  12. 6:00ピュアブラフとセミブラフ
  13. 6:20リバーまでに当たる確率
  14. 6:40ブラフが通りやすいとき
  15. 7:23例:エース・キング・9の場
  16. 8:03第4章 ブロックベット
  17. 8:30例:チェックか、小さく賭けるか
  18. 8:59ブロックベットが向くとき
  19. 9:17気をつけること
  20. 9:43まとめ

どの手で参加するかが分かったら、次は「参加したあと、なぜ賭けるのか」です。この記事では、すべての賭け方の土台になるポーカーの基本原則と、バリューベット・ブラフ・ブロックベットという三つの賭け方を、具体的な場面と数字で整理します。動画では、Poker Tokyo の3人(神崎怜司・九条玲子・朝倉和也)が、解説ボードを使いながら一つずつ説明しています。

ポーカーの基本原則

相手の手札が見えていたら

ポーカーでいちばん大事な考え方は、アメリカのプロ、デビッド・スクランスキーが著書『The Theory of Poker』でまとめたものです。

ポーカーの基本原則の3項目。1、相手の手札が見えていたら、どうするのが一番いいかは、すぐ分かる。2、見えていたらするプレイに近いほど、得をする。3、相手が、こちらの手札が見えていたらしないプレイをするたびに、こちらが得をする。
動画の解説ボードより

相手の手札が見えていれば、どうするのが一番いいかはすぐに分かります。実際には見えませんが、見えていたらするはずのプレイに近いほど、得をします。反対に、相手が「こちらの手札が見えていたら、しないはずのプレイ」をするたびに、こちらが得をします。相手の間違いが、そのままこちらのもうけになるということです。

見えていたら、することは三つ

もし相手の手札が見えていたら、することはだいたい次の三つにまとまります。

見えたものするプレイ呼び方
自分のほうが強い賭けて、払ってもらうバリューベット
相手のほうが強い払わずに降りるフォールド
相手が弱くて、降りそう賭けて、降ろすブラフ

実際の手札は見えないので、二つのことをします。一つは、相手の行動から、持っていそうな手を絞り込むこと。もう一つは、自分の手を相手に読ませないことです。強いときも弱いときも、同じように振る舞います。相手の手の絞り込み方は、相手の手を読むで詳しく扱います。

例:見えていたら、大きくは賭けない

フロップが A♦ 7♠ 2♣ で、自分は A♥ A♣ のエースのスリーカードだとします。もし相手の手札が K♠ Q♠ だと見えていたら、どうするでしょうか。

フロップはA♦ 7♠ 2♣。自分の手札A♥ A♣はエースのスリーカードで、いまはいちばん強い。相手の手札K♠ Q♠は何もなく、このままでは勝てない。下に「大きく賭けると、降りられて終わり」と書かれている。
動画の解説ボードより

相手は何も当たっていないので、大きく賭ければすぐに降りてしまい、点数はほとんど増えません。見えていたら、小さく賭けるか、チェックして相手に賭けさせるのがよさそうです。見えなくても、それに近いプレイを選ぶ。これが基本原則の使い方です。

バリューベット

バリューベットは、自分の手が勝っていそうなときに、相手に払ってもらうためのベットです。強い手なのにチェックばかりでは、取れるはずの点数を逃してしまいます。

大事なのは、こちらが賭けたときに相手のどんな手がコールしてくるかです。自分より弱い手がコールしてくれるなら、賭けるほど得をします。反対に、コールしてくるのが自分より強い手だけなら、賭けても損をするだけです。

例:リバーで賭けるか

場は K♥ 8♣ 4♦ 2♠ J♣、ポットは1,200点。自分は A♠ K♦ で、キングのワンペア、キッカー(同じ役どうしの勝負を決める残りのカード)はエースです。相手はフロップでもターンでもコールしてきました。相手が持っていそうな手を並べると、次のようになります。

相手の手自分と比べると賭けたら
キングと、クイーンや10自分の勝ちコールしそう
ジャックのペア自分の勝ち小さければコール
ツーペア、スリーカード自分の負けコールか、レイズ
外れたストレートの狙い自分の勝ち降りる

ツーペアやスリーカードには負けていますが、こうした手は多くありません。外れたストレートの狙いは、いくら賭けても降りるので払ってくれません。全体としては、自分より弱くて、払ってくれそうな手のほうが多いので、ここは賭けます。

どれくらい賭けるか

「どれくらい賭ける?」の3項目。大きすぎると、弱い手は降りてしまう。小さすぎると、取れるはずの点数を逃す。ちょうどいいのは、弱い手が迷いながらも払える額。
動画の解説ボードより

大きすぎると、弱い手は降りてしまいます。小さすぎると、本当は取れたはずの点数を取り逃がします。ちょうどいいのは、弱い手が迷いながらも払える額です。上の場面なら、ポットの半分くらいの600点。キングのペアでも、ジャックのペアでも払いやすい額です。

相手によって変える

賭ける大きさは、相手によっても変わります。

  • 何でもコールしてくる相手には、大きく賭けてかまいません。
  • 慎重な相手には、小さく賭けます。降りられたら、1点も取れないからです。
  • もう誰にも負けない、いちばん強い手をナッツと呼びます。ナッツなら、相手が払える一番大きな額を考えます。相手の持ち点によっては、オールインもあり得ます。

強い手を持ったときこそ、どうやって払ってもらうかを考えましょう。

ブラフ

ブラフは、勝てそうにない手で賭けて、相手に降りてもらうことです。相手が降りてくれれば、手札がどんなに弱くてもポットはもらえます。

ブラフが必要な理由は、もう一つあります。強いときにしか賭けない人は、すぐに読まれます。賭けたとたんに、みんな降りてしまうのです。ときどきブラフをするから、強い手で賭けたときにも払ってもらえます。ブラフがあるから、バリューベットも生きるのです。

ブラフが元を取るには

ポットが900点のとき、半分の450点でブラフをするとします。失敗すると450点を失い、成功すると900点がもらえます。失うのが450点、もらえるのが900点なので、3回に1回相手が降りてくれれば、元が取れます。

計算は簡単で、必要な成功率 = 賭ける額 ÷(ポット + 賭ける額) です。

賭ける額(ポット900点のとき)必要な成功率
ポットの半分(450点)33%(3回に1回)
ポットの3分の2(600点)40%(10回に4回)
ポットと同じ(900点)50%(2回に1回)

大きく賭けるほど、ブラフはたくさん成功しなければなりません。コールする側から見た計算は、ポットオッズと必要勝率で扱っています。

ピュアブラフとセミブラフ

「ブラフは二種類」の比較。ピュアブラフ:当たる見込みがない。降りてもらうしか、勝ち目がない。例は何もない手。セミブラフ:いまは弱いが、当たれば強くなる。降りてもらうか、当たるか。勝ち方が二つ。例はフラッシュやストレートの狙い。
動画の解説ボードより

ブラフには二つの種類があります。当たる見込みがない手でするのがピュアブラフ、いまは弱くても次のカードで強くなれる手でするのがセミブラフです。セミブラフは、相手が降りれば勝ち、コールされても当たれば勝ち。勝つチャンスが二回あります。

フロップから、ターンとリバーの2枚を見られるとき、狙いが当たる確率は次のとおりです(自分の手札2枚と場の3枚を除いた、見えていない47枚から計算しています)。

狙い当たるカードリバーまでに当たる確率
フラッシュの狙い9枚約35%
ストレートの狙い(両側が空いている)8枚約31%
ストレートの狙い(真ん中の1枚を待つ)4枚約16%

当たる見込みがあるぶん、セミブラフはピュアブラフより、ずっと失敗に強いのです。アウツ(当たるカード)の数え方は、アウツの数え方と2と4の法則で確認できます。

ブラフが通りやすいとき

「ブラフが通りやすいとき」の4項目。1、相手が一人(多いほど、誰かがコールする)。2、相手が、降りることのできる人。3、最初からの行動と、話の筋が通っている。4、相手を怖がらせるカードが出た。
動画の解説ボードより
  1. 相手が一人:一人ならその人が降りればよいのですが、三人いたら三人とも降りてくれないといけません。
  2. 相手が、降りることのできる人:何でもコールしてくる相手には、ブラフは通じません。
  3. 話の筋が通っている:ブラフは、うその話をするようなものです。プリフロップから最後まで、強い手を持っている人と同じように動きます。つじつまが合わないと見破られます。
  4. 怖いカードが出た:場に同じマークが3枚そろったり、エースが出たりすると、相手は弱気になります。

例:エース・キング・9の場

自分がボタンからレイズし、ビッグブラインドの相手がコールしました。フロップは A♣ K♦ 9♠、ポットは650点。自分の手札は 6♥ 5♥ で、何も当たっていません。

エースやキングのような大きなカードの場は、プリフロップでレイズした人のほうが当たっていそうに見えます。相手がチェックしたところで、自分が300点を賭けます。レイズした人が大きなカードの場で賭けるのは、自然な話の流れです。必要な成功率は 300 ÷(650 + 300)で約32%。3回に1回降りてくれれば元が取れ、相手が何も当たっていなければ、降りるしかありません。

ただし、何度もやりすぎると見抜かれます。ブラフは、ここぞというときに使いましょう。

ブロックベット

ブロックベットは、先に動く人が、自分から小さく賭けることです。チェックすると、相手に大きく賭けられるかもしれません。それを防ぐのがねらいです。勝っているか負けているか、よく分からない手のときに使い、負けたときの損を小さくします。

例:リバーで先に動くとき

場は Q♠ 10♦ 6♣ 3♥ 8♦、ポットは1,000点。自分は Q♥ 9♥ でクイーンのワンペアですが、キッカーは9と弱く、勝っているかは分かりません。しかも、先に動くのは自分です。

自分が相手は負けていたときの損
チェック700点を賭けてくるコールすれば700点
250点を賭けるコールで終わることが多い250点

先に250点を賭けておけば、相手はコールで終わることが多く、負けていても損は250点です。払う値段を、こちらで先に決めてしまうのがブロックベットです。

ブロックベットが向くとき

「ブロックベットが向くとき」の3項目。勝っているか分からない、中くらいの手。次のカードを、安く見たい狙いの手。先に動かなければならない席。
動画の解説ボードより
  • 勝っているか分からない、中くらいの強さの手。
  • フラッシュやストレートの狙いで、次のカードを安く見たいとき。
  • 先に動かなければならない席にいるとき。あとから動けるなら、チェックで回せばよいからです。

気をつけること

「気をつけること」の3項目。レイズされたら、たいていは降りる。小さいベットは、いつも弱いと読まれる。ときどきは、強い手でも小さく賭ける。
動画の解説ボードより

小さく賭けてレイズされたら、たいていは降りるしかありません。また、「小さく賭けるのはいつも弱いとき」と分かれば、相手はどんどんレイズしてきます。だから、ときどきは強い手でも小さく賭けます。そうすれば、相手はうかつにレイズできません。ブロックベットは、もうけを増やすためではなく、損を減らすための賭け方です。

まとめ

  • 相手の手札が見えていたらするプレイに近づけるほど、得をする。相手の間違いは、こちらの得になる。
  • バリューベットは、自分より弱い手がコールしてくれるときに賭ける。大きさは、弱い手が迷いながらも払える額。
  • ブラフに必要な成功率は「賭ける額 ÷(ポット + 賭ける額)」。ポットの半分なら3回に1回。
  • ブラフは、相手が一人で、降りられる人で、話の筋が通っているときに。セミブラフは当たる見込みがあるぶん失敗に強い。
  • ブロックベットは、先に動く席から小さく賭けて、負けたときの損を小さくする。

確認問題

問1 ポットが1,200点のとき、600点でブラフをします。元を取るには、相手に何回に1回降りてもらえばよいでしょうか。

答え

3回に1回(約33%)です。600 ÷(1,200 + 600)= 600 ÷ 1,800 で3分の1。ポットの半分を賭けるブラフなので、ポットが900点のときと同じ割合になります。

問2 相手が三人残っている場面では、ブラフが通りにくくなります。なぜでしょうか。

答え

三人とも降りてくれないと、ポットがもらえないからです。相手が多いほど、誰か一人はコールしてきやすくなります。ブラフは、相手が一人のときに向いています。

次に読む