自分のハンドvs相手のレンジとは?一つの手と比べない勝率の考え方
自分のハンドvs相手のレンジとは、自分の手を、相手の手一つではなく、持っていそうな手の幅(レンジ)全体と比べて強さを測る考え方。A♥Q♣は慎重な相手のレンジ全体に67%、大きく賭け続けられたあとは20%。例で解説します。
▶ 動画で学ぶ 中級編②・6:59相手のレンジと戦う動画と、同じ内容の記事はこちら
自分のハンドvs相手のレンジとは、自分の手の強さを、相手の手を一つに決めつけて測るのではなく、相手が持っていそうな手の範囲(レンジ)すべてと突き合わせて測る考え方です。 相手の手札は最後まで見えないので、「たぶんキングのペアだ」と一つに決めても、当たっている保証はありません。レンジの中のどの手に勝ち、どの手に負けるかをまとめて数えれば、コールするか降りるかを勝率で決められます。
なぜ一つの手ではなく、レンジと比べるのか
相手の手を何だと決めるかで、勝率は大きく変わります。自分が A♥ Q♣、場が Q♦ 8♣ 3♠ のとき、残り2枚の出方を全部数えると、次のようになります。
| 相手の手をどう考えるか | A♥ Q♣ の勝率 |
|---|---|
| キングのペアだと決めつける | 約20% |
| ジャックのペアだと決めつける | 約90% |
| 慎重な相手のレンジ全体(49通り)と比べる | 67% |
キングのペアだと思えば降りたくなり、ジャックのペアだと思えば大きく賭けたくなります。どちらも、決めつけた一つの手が外れていれば、判断ごと外れます。レンジ全体と比べた67%なら、相手が実際にどの手を持っていても使える、ぶれにくい物差しになります。

例:A♥ Q♣ で、慎重な相手のレイズにコールした
いちばん前の席に座る慎重な人がレイズしました。この人のレイズに入っているのは、8以上のペアと、同じマークのA・K、A・Q、A・J、K・Q、それにマーク違いのA・K。組み合わせにすると70通りです。あなたは A♥ Q♣ でコールし、ポットは750点。フロップは Q♦ 8♣ 3♠ で、クイーンのペアができ、2枚目のエースがキッカー(ペアの次に比べるカード)として効いています。
フロップ:49通りのうち、勝っているのは35通り
自分が持っているカードや、場に出ているカードは、相手が持つことはできません。それを含む組み合わせを外すと、残りは49通りです。たとえばクイーンのペアは、Q♣ をあなたが、Q♦ を場が使っているので、Q♠ Q♥ の1通りしかありません。
| 相手の手 | 通り | 今の勝ち負け |
|---|---|---|
| ジャック・10・9のペア | 18 | 勝っている |
| A・K(同じマーク、マーク違い) | 12 | 勝っている |
| 同じマークのA・J | 3 | 勝っている |
| 同じマークのK・Q | 2 | 勝っている |
| 同じマークのA・Q | 1 | 引き分け |
| エースのペア、キングのペア | 9 | 負けている |
| クイーンや8のスリーカード | 4 | 負けている |
勝っている35通りに対して、負けているのは13通り。この先のカードまで含めた勝率は67%です。ここで降りる理由はありません。
ターン:賭け続けられたら、16通りに20%
フロップで相手が400点を賭け、あなたがコールしてポットは1,550点。ターンは 2♥ で、相手はもう一度、今度は1,200点と大きく賭けてきました。
ここまで続けて賭けてくる慎重な人なら、ジャックのペアやA・Kのような手は、途中でチェックに回ることが多いと考えられます。残るのは、エースのペア、キングのペア、スリーカード(Q・Qと8・8)、同じマークのA・QとK・Qの16通り。このうち A♥ Q♣ が勝っているのはK・Qの2通りだけ(A・Qとは引き分け)で、勝率は20%しかありません。
1,200点を払ってコールすると、ポットは 1,550 + 1,200 + 1,200 = 3,950点。必要な勝率は 1,200 ÷ 3,950 で約30%です(ポットオッズ)。手元の20%はそれに届かないので、フロップでは自信を持てた同じ手でも、ここは降りる場面です。
相手の行動で、レンジは変わる
賭ける、チェックする、レイズする。相手が動くたびに、その行動をとりそうにない手をレンジから外し、残った手と比べ直します。自分の手は何も変わっていないのに、勝率が67%から20%まで下がったのは、比べる相手の中身が入れ替わったからです。行動からレンジを絞っていく手順は、リーディングのページで詳しく説明しています。
よくある間違い
- 降りたあとに相手の手を見て、判断を後悔する。 降りたあとで、相手の手がジャックのペアだったと分かっても、それは1回きりの結果です。判断の良し悪しは、レンジ全体に対して正しかったかで考えます。
- 自分の手の強さだけで決める。 「場でいちばん高いカードとのペアで、キッカーもエースだから降りない」と、相手の行動を見ずに進んでしまう。
- 相手のレンジを、広く見すぎる、狭く見すぎる。 慎重な人のレイズに弱いエースまで入れると、勝率を高く見積もりすぎます。

よくある質問
レンジに対する勝率は、どうやって計算する?
正確には、レンジの組み合わせ一つずつについて、残りのカードの出方を全部調べ、平均します。この記事の67%や20%も、そうして求めた数字です。テーブルではそこまで計算できないので、勝っている組み合わせと負けている組み合わせのどちらが多いかを数えるだけでも、よい目安になります。負けている手に追いつくカードは、アウツで数えます。
組み合わせの数は、どう数える?
ペアは6通り、同じマークの2枚は4通り、マーク違いの2枚は12通りです。そこから、自分の手札と場に見えているカードを使うものを引きます。この例でエースのペアが3通りしかないのは、A♥ をあなたが持っているからです。
相手のレンジは、どうやって決める?
席、相手のタイプ、ここまでの行動の三つから考えます。いちばん前の席の慎重な人なら強い手だけ、うしろの席の広く参加する人なら弱い手も入る、という具合です。考え方の土台はハンドレンジで説明しています。
まとめ
- 自分の手の強さは、相手の手一つではなく、レンジ全体と比べて測る。
- 一つの手に決めつけると、同じ場面でも勝率が約20%から約90%までぶれる。
- A♥ Q♣ は、慎重な相手のレンジ全体には67%、大きく賭け続けられたあとの16通りには20%。
- 相手が動くたびにレンジは変わる。比べ直して、必要な勝率と照らし合わせる。
- 判断の良し悪しは、一回の結果ではなくレンジで考える。
関連する用語
- ハンドレンジ:相手が持っていそうな手の幅
- リーディング:行動からレンジを絞る手順
- ポットオッズと必要勝率:コールに必要な勝率の計算
- バリューレンジとブラフレンジ:自分のレンジを分けて考える
- 中級編② 相手のレンジと戦う:動画でまとめて学ぶ


