GTOとは:読まれても負けない戦略の考え方
GTO(Game Theory Optimal)は、相手にどれだけ研究されても、それ以上こちらから得をされない打ち方。ナッシュ均衡・バランス・混合戦略の意味を、計算の例とあわせて解説します。
GTO(Game Theory Optimal、ゲーム理論的に最適な戦略)は、ゲーム理論の「ナッシュ均衡」にもとづく考え方です。お互いが相手の戦略を知っていても、どちらも自分だけ戦略を変えて得をできない状態を目指します。
「勝つ戦略」ではなく「負けない土台」
GTOは、相手を読み切って大きく勝つための戦略ではありません。相手がこちらの打ち方を完全に知っていても、それを利用して得をされない打ち方です。
じゃんけんで考えると分かりやすくなります。グー・チョキ・パーを3分の1ずつ、ランダムに出し続ければ、相手が何を出しても長い目で見て勝ち負けは五分です。これがじゃんけんのGTOです。一方、相手がグーばかり出すと分かっているなら、パーを多く出したほうが勝てます。こちらはGTOから外れて、相手のクセを突く打ち方(エクスプロイト)です。
GTOを支える3つの考え方
- バランス:同じ場面で、強い手とブラフを決まった比率で混ぜる。ベットしたという事実だけでは、手の強さを悟らせない。
- 混合戦略:同じ手でも、ベットとチェックを確率で使い分けることがある。毎回同じ行動をすると、そこを読まれるからです。
- 頻度で考える:「この手でどうするか」だけでなく、「この場面で自分が持ちうる手全体(レンジ)を、どの割合でどう打つか」を考える。
計算で決まる部分から覚える
GTOの全体を人が暗記するのは不可能で、プロは「ソルバー」と呼ばれる計算ソフトで研究します。ただし、次の数字はポットとベット額だけで決まり、だれでも計算できます。
- 最小防衛頻度(MDF):ベットされたとき、最低どれだけ降りずに続けるべきか。
- ブラフとバリューの比率:リバーのベットに、ブラフをどれだけ混ぜてよいか。
- ブラフの成功ライン:ブラフが得になるには、相手が何%降りればよいか。
この3つは、GTO入門のページでベット額を変えながら確かめられます。
GTOの注意点
- GTOは「負けにくい」打ち方で、明らかなクセのある相手からは、エクスプロイトのほうが多く勝てます。くわしくは「GTOとエクスプロイトの使い分け」で。
- ソルバーの答えは、持ち点・人数・ベット額の選択肢などの前提によって変わります。1つの数字を丸暗記するより、「なぜその頻度になるのか」を理解することが大切です。
計算で答えが決まる問題は、練習問題の「最小防衛頻度」「ブラフの割合」「ブラフの成功ライン」で練習できます。


